Self time Fun time ~40代からの人生充実プロジェクト~

朝習慣で人生を変えていくプロジェクト!チャレンジしたこと、その結果についてのレポートを中心に報告していきます。

なぜ、いきなりステーキの社長コメントに批判が殺到しているのか。

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いきなりステーキ全店で社長直筆のコメントが店内に貼られ、

テレビやネットを中心に話題になっています。

話題の多くは批判的なコメントで、好意的なコメントはあまり見られません。

 

批判的な内容は主に

・上から目線

・売上の減少をお客のせいにしている

・他にやることがある

といったところ。

 

個人的には、マイナス面を隠さず公表することは誠実な印象を与えると思いますし、

窮状を訴えて呼びかける手法は広告としてもよく見られます。

それなのになぜ、いきなりステーキの社長コメントは炎上に近いくらい批判されたのでしょう。

 

文章はネットで検索すれば画像がいっぱいでてきますので割愛しますが、

要約すると

・序文

・店舗は拡大したが客数が減少していること

・このままでは閉店せざるを得ないこと

・ほぼ全店を着席できるように改善したこと

・メニューの定量化やオーダーカットの案内

・ご来店のお願い

と言った内容です。

 

順番にひも解いていくと、まず序文ですが、

ここはお客様に対しての感謝とお礼を入れるべきです。

「日ごろからご愛顧いただきありがとうございます」みたいな。

 

ですが、そういった文言は一切なく「お願いです」から始まり、

その後もいきなりステーキの歴史や功績しか書かれていません。

感謝、または謝罪から始まり、その上で最後にお願いなら分かりますが。

この時点で社長がお客様を向いていない、

感謝の気持ちがない印象を読者に与えてしまいます。

 

そして次の客数減少についてですが、先にも書きましたが

事実を正直に伝えることは誠実なイメージに繋がると思っています。

ただ、その後の「このままではお近くの店を閉めることになります」は

読者にとっては関係ありません。

 

読者、と言うよりカスタマーにとっては、

自分たちに必要な店舗には残ってほしいでしょうが、

そうではない店舗の存続には大して興味がありません。

 

カスタマーにとって必要な店舗とは、

自分たちに有益な店舗ということです。

飲食店の場合、

・美味しい料理を提供してくれる

・安く料理を提供してくれる

・味や価格以外での有益な何かを提供してくれる

(無料Wi-Fiなどの設備や居心地のいい雰囲気など)

といったところでしょうか。

 

そしてお客様が減っているということは、

カスタマーにとって有益な何かを提供できていないということです。

そんなお店が実際に閉店したとしても、

カスタマーにとっては痛くも痒くもありません。

実際、起業した飲食店の35%は3年以内に閉店しているというデータもあります。

つまり飲食店が閉店することは珍しいことではなく、

むしろ当たり前のイメージの方が強いのです。

 

ラストの改善やメニューのことですが、

いきなりステーキのコンセプトは、立食でリーズナブルに

サッと美味しいステーキが食べられるということだったはずです。

牛丼屋のステーキ版みたいな感じでしょうか。

 

それなのに着席させてしまったら、他のステーキ店との差別化が難しくなります。

いきなりステーキより美味しいお店、安いお店、高級感のあるお店は

他にもたくさんあると思いますし。

せっかくの独自のポジションを捨てるようなものです。

 

<まとめ>

 

総じて言えば、読者(=カスタマー)に対して興味をひく、

あるいは有益な情報が何一つ盛り込まれていないことが、

批判される一番の要因だと思います。

 

本当に危機感やお客様に対しての誠意の気持ちがあるなら、

役員報酬をカットして●割引きキャンペーンを行います」

「お肉の品質を揚げ、ソースも改良したので新しい味をご賞味ください」

「より多くのお客様が楽しめるように、立食席・テーブル席共に増やしました」

など、読者に有益な情報や覚悟を示す情報を盛り込むべきです。

 

謝罪会見でも、「誰に対して誤っているのか分からない」ような会見は批判を招きます。

この社長の文章が批判される理由も根底は同じもの。

いきなりステーキが再浮上するためには、まず社長が誰に対して何をしたいのか明確にし、

それを全店舗・全社員に徹底させることが必要ではないでしょうか。